2013 4.4 thu.-4.5 fri.
ALLEN STONE
artist ALLEN STONE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
USAトゥデイ、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストといった大新聞が絶賛。インディーズから配信した作品がiTunesのソウル/R&Bチャートでトップ5入りし、先ごろ『アレン・ストーン』でメジャー・デビューしたばかりのシンガー・ソングライター、アレン・ストーンが、実にタイミングよく初来日を果たしています。
ステージにはまずベーシストが登場し、ファンキーなリフを弾きます。続いてギタリスト、ドラマー、キーボード奏者(2人)がステージにあがり(登場順に演奏を始める)、場内が暖まったところでアレン・ストーンが現れます。盛大な拍手と声援から、どれだけ多くのファンが彼の初来日を待っていたかがうかがえます。
「ビューティフル・シティに来ることができて嬉しいよ。俺は楽しむためにここに来た。みんなにもぜひ楽しんでもらいたい。そりゃ誰だって毎日、いいことばかりあるわけじゃない。だけど嫌なことは忘れて楽しんでほしい。さあ、手拍子だ!」
地元シアトルのライヴハウスでも、こんな感じでお客さんを沸かせているのでしょう。背が高く、帽子の似合う25歳。無造作な着こなしは、まるでグリニッチ・ヴィレッジの映画館から出てきたばかりのようです。声はちょっと高くて張りのあるもので、ファルセットも自在に使いこなします。曲調は土の臭いのするブルース・ロックといっていいと思います。幼い頃から教会でゴスペルを歌っていたということも影響しているのでしょう、声量にも恵まれています。
前半、バンドと共にガンガン盛り上げ、中盤ではアコースティック・ギターを手にした弾き語りを披露。そして後半はメンバーのソロもたっぷりフィーチャーしながら、メドレー形式で魅了してくれました。演目はメジャー・デビュー作からのものが主でしたが、途中ボブ・マーリーの「Is This Love」を8分の6拍子でカヴァーするなど(ボブが「アワナラ ビャ」と歌っていたところを、アレンは「アイ・ウォント・トゥ・ラヴ・ユー」と言葉を区切りながら歌いました)多彩そのもの、「自分のすべてを日本のファンに観てもらおう」という意欲が感じられる、実にパワフルなステージでした。
バンド・メンバーではドラムスのジェイソン・ホルトが際立っていました。9歳でドラムスを始め、レディシのバンドで日本に来たことのある凄腕です。全身エネルギーというべき彼のプレイにもぜひご注目ください!
(原田 2013 4.5)