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HIROMI UEHARA × KAZUNORI KUMAGAI

artist 上原ひろみ

REPORT


HIROMI UEHARA - 上原 ひろみ


先日「コットンクラブ」で圧倒的なソロ・パフォーマンスを聴かせたばかりの上原ひろみが、昨日から「ブルーノート東京」で熊谷和徳とのデュオを繰り広げています。

「ピアノとタップダンス? どうやって一緒に演奏するの?」という声もきこえてきそうですが、百聞は一見にしかずとは、まさにこのことです。ぼくはふたりのデュオを大きな会場で聴いたことがありますが、今回はクラブ規模でのライヴなので臨場感倍増、迫力500パーセント増しです。ふたりの一挙一動はもちろん、息遣いやかけ声までがダイレクトに飛び込んできます。

客席から見てピアノの左側に1枚、右側に4枚の板があります。ここをフルに使って、熊谷和徳はタップをします。ジャケットの下には、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの名盤『A NIGHT IN TUNISIA』のジャケットがプリントされたTシャツを着ています。踊るたびにジャケットがゆれ、Tシャツに書かれている“JAZZ”という文字が浮かびあがります。彼と上原ひろみのコンビネーションは、本当に自由自在です。あるときはピアノとユニゾンでステップを踏み、またあるときは床をするようなフットワークで上原のサポートに廻ります。そしてまたあるときは、ピアノとの4小節交換(4小節ずつ、アドリブ・ソロを渡しあうこと)で、何人ものドラマーが一緒に演奏しているかのようなストンピングを聴かせてくれました。

確かに2本の足で踏んでいるのです。しかしひとつのステップで6つか7つの音が出ていたのではないでしょうか。けっこうじっくりと彼の足使いを見ることができたのですが、どうしてあんな多彩なサウンドが出せるのか、不思議でなりません。熊谷は故郷・仙台に捧げたソロ・ナンバーも聴かせてくれましたが、観客の手拍子を受けながらのアドリブには、開いた口がふさがりませんでした。

もちろん上原ひろみのプレイも相変らずエンジン全開です。グラミー賞にも輝き、「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに出るほどのスターであるのに、演奏への情熱、アドリブにかける気迫は高まるばかりです。演奏中の彼女は炎のかたまりです。いまにも鍵盤から黒煙があがりそうです。
1+1が20にも30にも拡がるデュオ・ワールド。それが上原ひろみと熊谷和徳の共演なのです。

アンコール終了直後に"グラミー受賞祝い"のサプライズ・ケーキが登場し、ご本人が本当に驚いていたシーンがまたこれも印象的でした。
(原田 2011.4.24)


● 4.24sun.-4.27wed.
HIROMI UEHARA × KAZUNORI KUMAGAI

詳細はこちら

● 4.27wed. 2nd show の模様はアーティストの意向により、
Ustream(ユーストリーム)BLUE NOTE TOKYO チャンネル
http://www.ustream.tv/channel/bluenotetokyo
で生中継いたします。是非ご覧ください。


上原 ひろみ - HIROMI UEHARA

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