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HIROMI UEHARA

artist 上原ひろみ

REPORT


上原ひろみ-HIROMI UEHARA


公演初日リポート:HIROMI UEHARA Solo Piano -PLACE TO BE-



飛翔を続ける“時の人”、上原ひろみのソロ・ピアノ公演がブルーノート東京で開催されています。チケットはわずか数時間で完売。激しい争奪戦を見事、くぐりぬけたファンが、クラブ中を埋め尽くしました。
彼女は11月中旬から1ヶ月以上に及ぶ国内ツアーを敢行中です。12月24日には、すみだトリフォニーホールで新日本フィルハーモニー交響楽団との共演コンサートをおこないました。その翌々日にあたる昨日26日と今日27日、彼女はブルーノート東京のステージに立っています。今年最後の演奏場所として、東京でのホームグラウンドを選んだのです。

ステージにはヤマハのピアノが一台。
アコースティック・サウンドが、クラブを満たします。最新作『プレイス・トゥ・ビー』の世界をライヴで味わうには最高の条件といえましょう。とはいってもそこは上原ひろみというべきでしょうか、CD収録曲を弾いても同じ展開とは限りません。1曲あたりの演奏時間は伸び、アルバムを聴いていただけでは予想もつかないパッセージが、驚くほどのテクニックに裏付けされながら次から次へと登場します。

ピアノを弾く喜び、音楽に浸る喜びを全身で発散させながら、上原ひろみは約90分を疾走しました。ただ単に鍵盤に指を走らせるのではなく、内部奏法(ピアノに張られている弦をはじく)を取り入れたり、中腰で弾いたり。足踏みや掛け声が生々しく響くのもクラブ・ギグならではです。彼女はアーティストであると同時に、アスリートでもあるのでしょう。観客の声援、拍手も曲が進むごとに高まってゆきます。“元気が出るピアノ”の真骨頂、ここにありといった感じです。

彼女は以前、ぼくの取材にこう答えてくれました。「自分のピアノが元気を与えているのならこんなに嬉しいことはない。でも、私もお客様からすごく大きな元気をもらっているのです」、と。
良いファン、良いスタッフに恵まれて、上原ひろみの才能はさらに研ぎ澄まされ、その音世界は一層スケールを増すことでしょう。2010年も彼女の動きから目が離せません。
(原田 2009/12/26)


12/26sat.-12/27sun.
HIROMI UEHARA Solo Piano -PLACE TO BE-
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