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宇宙イチのサックス & クラリネット

artist PAQUITO D'RIVERA

REPORT


パキート・デリヴェラ-PAQUITO D'RIVERA

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公演レビュー:PAQUITO D'RIVERA


すっかり秋も深まってきた今日このごろ。そんな季節だからこそ熱いサウンドに身も心もゆだねたいものです。

そこでガッチリお勧めしたいのが、パキート・デリヴェラのステージです。

パキートはキューバ出身のサックス&クラリネット奏者。
つい先日、鮮烈なパフォーマンスを見せつけてくれたあのチューチョ・ヴァルデスが "今までいろいろなサックスやクラリネットのプレイヤーと共演したが、彼こそが宇宙イチ!”
といわしめました。
(Chucho さんへのインタビューをご参照ください)
https://www.bluenote.co.jp/jp/movie/2009/10/_interview_chucho_valdes_1.html


音楽的な環境に育ったため、幼い頃からラテンやジャズに親しみ、7歳の頃には人前で演奏していたといいます。’60年代に入るとチューチョ・ヴァルデス(この9月、ブルーノート東京に登場しました)と活動を共にし、これがやがて世界に名を轟かせたスーパー・フュージョン・バンド‘イラケレ’へと発展しました。そして‘80年にアメリカへ渡り、キューバ時代に輪をかけた大活躍を続けて現在に至っています。外国人ミュージシャンに対して必ずしも暖かいとはいえないアメリカで30年にもわたってトップを走り続けているのは、つまり、彼の実力が圧倒的に超国際的であるという証なのでしょう。

パキートはまた、ジャズ(とくに、ビ・バップと呼ばれる分野での演奏がよく知られています)やラテンのマスター・ミュージシャンであると同時に、クラシックやブラジル音楽の名手であります。しかし彼の偉いところは、それらを決してごちゃ混ぜにしないこと。‘クラシックとラテン・ジャズの融合’とか、‘ブラジル音楽風ビ・バップ’などどいった無粋なことはしないのです。ジャズをやるときには徹底してジャズ。クラシックをプレイするときは、とことんクラシック。そこにぼくは、パキートのミュージシャンシップの高さを垣間見ます。

今回は、彼のレギュラー・グループによる公演です。これまでクラウディオ・ロディティ(トランペット)、ミシェル・カミロ、ダニーロ・ペレス(ピアノ)等、多くの逸材をシーンに紹介してきたパキートです。現在のバンドにも、‘未来のスター’が集結していることは間違いありません。とくにトランペット奏者のディエゴ・ウルコラは、現代ラテン・ジャズの精鋭としてニューヨークで引く手あまたのプレイヤーです。彼とパキートのアンサンブルが聴けるのも、ぼくにとっては大きな楽しみです。

長年にわたって早熟の天才プレイヤーといわれてきたパキートですが、そのサウンドは決して難解でも、高踏的なものでもありません。思わずからだが揺れ、一緒に歌いだしたくなるような音作りです。誰にでも伝わる熱い世界を携えて、パキートは11月のブルーノート東京に灼熱の太陽を運んでくれることでしょう。
(原田 2009/11/4)


● from CALLE 54 !!

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