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[インタビュー|MY INSTRUMENT]アンプ・フィドラー

[インタビュー|MY INSTRUMENT]アンプ・フィドラー

アンプ・フィドラーの
ショルダー・キーボード

ヴォーカリストとしてフロントにも立つ 鬼才キーボーディストのステージ・パフォーマンスを 彩ったショルダー・キーボード。それは東京公演の ために急遽手配したものだったという。

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 昨年12月、毎年恒例となっているインコグニートの来日公演にスペシャルゲストとして出演したアンプ・フィドラー。その圧倒的な存在感で、オーディエンスの耳と目を釘付けにした。

「ブルーイとは昔からの友人で、今回のライヴもとてもハッピーだった。インコグニートの曲をたくさん覚えて、もっと一緒に演奏したかったくらいさ」

 客席の間を歌いながら登場するという粋な演出で湧かせたフィドラー。ステージにセットされたVOX Continentalを弾く一方、「Superficial」ではショルダー・キーボードをプレイした。そのキーボードはローランドの新製品、AX-Edge。しかし、東京公演の前に行われた大阪のライヴではNordLead2を演奏し、ショルダー・キーボードは使われなかった。この間に何があったのか?

「2017年に来日したとき、ローランドとの深い関係ができたんだ。そして今回、雑誌でAX-Edgeを見かけて、早速使ってみたいとローランドに連絡を取った。返事はもちろんイエスさ(笑)。そして、東京にはもうひとつ大好きなキーボード・メーカーがあることを思い出した。コルグだ。一人で電車に乗り、3回も迷いながら(笑)本社ショールームに行った。そこでVOX Continentalを弾いて、一発で気に入り、使わせてもらうことになったんだよ」

 黒と赤のビビッドなカラーリングが目を引くAX-Edge。しかしフィドラーは「見た目はあまり気にしないんだ」と意外な反応。

「鍵盤のタッチが良くて、サウンドも素晴らしい。これ1台だけにしてステージのスペースを空ける考えもあったけど、VOX Continentalのクラビネット音色もすごく良かったから、2台使うことにしたんだ」

 取材の最後に「今度は自分のショウで来日したいね」とジェントルな低音ヴォイスで呟いたフィドラー。その実現を楽しみにしたい。

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伝統のオルガンをコルグが現代に甦らせたVOX Continental。フィドラーいわく、エレピ音色もお気に入りだという。
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ギターのネックに相当する部分でサウンドの変化をコントロールすることができる。今回のステージでも多用していた。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Isao Nishimoto
interpretation = Keiko Yuyama
cooperation = RIttor Music

AMP FIDDLER(アンプ・フィドラー)
1980〜90年代、ジョージ・クリントン率いるPファンク軍団で活躍。その後、プリンス、セオ・パリッシュらと共演する一方でソロ名義の活動も。近年はJ.ディラを音楽業界に導いたデトロイト音楽シーンのキーパーソン。
西本 勲(にしもと・いさお)
サウンド&レコーディング・マガジン、リズム&ドラム・マガジン、キーボード・マガジン編集部を経て、2004年からフリーに。主に音楽/演劇系の雑誌、書籍、WEB等で取材と執筆を行う。

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