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[インタビュー|MY INSTRUMENT]カーク・ウェイラム

[インタビュー|MY INSTRUMENT]カーク・ウェイラム

カークの選んだ現代版ヴィンテージ。

ソウルフルに歌い上げるサックス・プレイでシーンを牽引し続けるアーティスト、カーク・ウェイラム。ワン&オンリーと絶賛する彼の愛器について語ってもらった。

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「僕にとって音楽は、自分が誰であるかを表現することなんだ」と笑顔で語るカークが長年愛用しているのは、ヨーロッパの名ブランド、"ユリウス・カイルヴェルト"だ。

 カークといえば、黒いテナーサックスを思い浮かべるファンも多いはず。彼が長年愛用しているのは、カイルヴェルト"SX90R"のブラック・ニッケル・メッキ・モデル。黒を基調にしたスタイリッシュなデザインが際立つ名器だ。「カイルヴェルトは僕にとって自分を表現できる楽器さ」と語る彼が今回持ち込んだ楽器は、同じSX90RでもVintageというモデル。見た目も美しいまさにヴィンテージを彷彿させるテナーサックスだ。この日のステージでもカークの声として大きな存在感を放っていた。「吹き込むと管体がダイレクトに振動する。この感じが好きなんだ」と吹奏感の心地よさを語ってくれた。

 デザインといえば、カークのネックも独特のシェイプをしている。「実は以前、本番中にネックが曲がってしまったんだ(笑)。それがきっかけでネックに支柱を付けてもらった」現在このネックは彼のシグネイチャー・モデルとして販売されている。

「東京に来ると必ず、本社で様々なモデルを吹かせてもらうんだ。今回は15本吹いたが、13本が最高だった。そんな楽器メーカーは他にあるかい?」

 ロールドトーンホールやラージベルと言ったヴィンテージの設計と、正確なピッチを持ち合わせるカイルヴェルト。ヴィンテージと現代楽器の良さが結集したクラフトマンシップ溢れる名器といえよう。心を揺さぶる温かな音色、歌っているかのようなカーク・ウェイラムのプレイはここから生まれているのだ。

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こだわりのネックには支柱が2本。素材は真鍮にニッケルメッキ仕上げ、そのためレスポンスが早く、発音も良い。
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管体を酸化(ヴィンテージ加工)させその上にクリアラッカーを施している。独特の質感と手彫りの彫刻が美しい。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Syunosuke Ishikawa

Kirk Whalum(カーク・ウェイラム)
1958年テネシー州メンフィス生まれ。'85年ソロ・デビュー。'93年『Caché』が全米ジャズ・チャート1位に。'11年グラミー賞受賞。ジャズ・フュージョン界をリードするサックス奏者。現在アルバム「Humanity」を製作中。

石川周之介(いしかわ・しゅうのすけ)
サックス/フルート奏者。米ニューオリンズ大学とオランダのロッテルダム音楽院でアメリカとヨーロッパ、それぞれ異なるスタイルのジャズを学び、ノース・シー・ジャズ・フェスティバル出演など国内外にて幅広く活動中。

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