7月から新ドリンクメニュー。カクテルが生まれるまで | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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7月から新ドリンクメニュー。カクテルが生まれるまで

7月から新ドリンクメニュー。カクテルが生まれるまで

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL JULY MENU] 音楽と食材からインスパイアされた、夏のカクテルを味わう

  リキュールやフルーツの味と香りが折り重なり、調和しながら主張する...。
完璧なカクテルは、ジャズのセッションのようにそれぞれの個性が心地よく響き合います。
7月にリニューアルするブルーノート東京のドリンクメニューから、注目カクテルをピックアップ。

photography = Kan Kanbayashi
text = Tomoko Kawai

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ブルーノート東京B1ロビー Bar BACKYARD www.bar-backyard.com


真夏の夜。音楽の熱狂を、
至高のカクテルでクールダウン

 "必然"と"偶然"を上手に組み合わせるようにして、カクテルを考案しています」。ブルーノート東京のバーテンダー、五十嵐康輔はそう語ります。これまで、公演アーティストをイメージした一夜限りのオリジナル・カクテル「ワンナイト カクテル」を500品以上創り出してきた五十嵐。バーテンダーとしての確かな技術と知識をベースに、アーティスト各人の魅力や世界観を表現した一杯や、季節ごとの素材を新しい感覚で取り入れたカクテルで、お酒の可能性にチャレンジしてきました。7月にリニューアルするドリンクメニューは、軽やかさと濃密な香りが魅力のラインナップ。過去に好評を博した「ワンナイト カクテル」もアップデートして再登場します。

 ガストロノミー界では、料理やデザート、カクテルといった垣根がどんどん取り払われ、素材・味・プレゼンテーションすべてにおいてジャンルレス化が進む昨今。五十嵐のカクテルも"料理のよう" と評されることが多く、創作は素材選びから始まるといいます。例えば「"YUKATA de JAZZ" オリジナル・カクテル」は旬のメロンから想起したもの。自家製メロンジュースと冷たい緑茶の組み合わせは、まさに奇跡的。メロンが持つ青い香りに緑茶のやわらかなタンニンが重なる中で、和のリキュール「TUMUGI」の麴がやさしく香る。浴衣を粋に着こなしたゲストが、フルートグラスを片手に音楽に身を委ねる...。そんな情景がありありと思い浮かんできます。

 野菜を使ったカクテルも、五十嵐が得意とする分野。「ドクター」は、オルガン奏者のドクター・ロニー・スミスのために生み出したワンナイト・カクテルを今年らしくアレンジした一品。フレッシュなきゅうりを飲んで味わうカクテルです。きゅうりの青い風味とアイルランドの薬草リキュール「コカレロ」、そしてブランデーが醸し出す独特な香りは、鮮烈の一言。ひと口で異国へと旅立たせてくれそうです。「カクテルを作るときは、4つのバランスを考えています。スタイル、色、ネーミング、そして過去に似たものがないこと」。そんなポリシーを見事に表しているのが、ピンク色の「アマゾナス」。ベースとなったのは、ボサノヴァ歌手の小野リサのためのカクテル。ブラジルを代表するカクテル「カイピリーニャ」を、自家製巨峰シロップとヨーグルト、アマゾンのミラクルフルーツと呼ばれるアサイーで大胆に進化させた一杯です。見た目の華やかさとは裏腹に、ぶどうとアサイーのもつタンニンを感じられ、長い余韻が残る一杯。ヘルシーな中に、アマゾンにみなぎる神秘的なパワーが封じ込められています。 "ノンアルコール"のカクテルも、世界的なムーブメントのひとつ。背景にあるのは、アルコールに頼らずに素材のミックスを追究したいというバーテンダーの想いと、その奥深さに魅せられたグルメたち。新作「カカオのモヒート」も、ノンアルコールだからこそ生まれたカクテルといえます。ミントとライムというモヒートの核はそのままに、カカオの香りを存分に引き出した自家製のカカオシロップで素材感を押し出した一杯。まずはカカオの香りとほのかな苦みがふわっと広がり、爽やかなミントが追いかけてくる...。モヒートの"必然"である材料と、カカオの"偶然"が出会って生まれた無二の味は、美しく調和しています。

 カクテルは、素材を組み合わせ、ミックスすることで生まれるクリエイティブな飲み物。そして、往年の定番からコンテンポラリーな名作まで、バーテンダーの裁量で自在にアレンジができる希有な飲み物。凄腕ミュージシャンの自由な演奏を聴くように、カクテルに耳を傾ける。ブルーノート東京では、そんな体験が待っています。



ドリンクメニューのリニューアルは7月1日(月)から!


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"YUKATA de JAZZ" オリジナル・カクテル

対象公演に浴衣・和装でご来場いただいたお客様に、一杯プレゼント。メロンに、麹をベースにした日本のスピリッツ「TUMUGI」と緑茶を合わせた涼やかさが魅力。
[Melon Juice, Tumugi, Green Tea]



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ドクター from Dr. Lonnie Smith

トップに飾ったきゅうりのロールは、アーティストのトレードマークであるターバンをイメージ。コカの葉のリキュール「コカレロ」がエキゾティックに香る一杯。
[Brandy, Cucumber Lemonade, Ginger Beer]
¥1,400(税サ抜)



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アマゾナス from Risa Ono

華やかな色彩と香りに目を奪われるカクテル。ブラジルの定番「カイピリーニャ」をヘルシーにアレンジしたもの。アサイーやヨーグルト、ぶどうのコンポートが調和。
[Cachaca, Kyoho Grape, Lime, Yogurt, Acai]
¥1,500(税サ抜)



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カカオのノンアルコールモヒート

お酒が入っていないのに、ぐっと深い味わいを感じるモヒート。カカオニブを煮出した自家製カカオシロップとトニックのほろ苦さが、口の中で心地よく混ざる。
[Cacao, Mint, Lime, Sonic]
¥1,100(税サ抜)



Recipe

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ドクター

[ 材料(1杯分) ]
*きゅうりレモネード
 きゅうり水 .................................... 30ml
 レモン汁 ....................................... 10ml
 ガムシロップ ................................. 20ml
コカレロ .......................................... 10ml
ブランデー ....................................... 5ml
ジンジャービア ................................. 30ml


[ 作り方 ]
1 . 小さめに切ったきゅうり半本と同量の水をブレンダーにかけて漉し、きゅうり水を作る。
2 . きゅうり水とレモン汁、ガムシロップを混ぜてきゅうりレモネードにする。
3 . グラスに氷を入れ、きゅうりレモネード、コカレロ、ブランデー、ジンジャービアの順に注げば出来上がり。

[お好みで、少量のおろし生姜とはちみつを加えたり、きゅうりのスライスを巻いて飾っても素敵。]


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五十嵐康輔 (いがらし・こうすけ)
2002年入社以来、野菜、ハーブ、フルーツなどの食材と対話しながら、手仕事が光るカクテル作りに意欲的に取り組む。

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