ステイシー・ケントの五感を揺らす新ワインリスト | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ステイシー・ケントの五感を揺らす新ワインリスト

ステイシー・ケントの五感を揺らす新ワインリスト

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL DECEMBER MENU]ブルーノート東京の新・ワインリストを
ワインを愛する歌姫ステイシー・ケントが体験

 季節の深まりとともに味わいを増す日本の食材。それに呼応するように、ブルーノート東京ではこの11月にワインリストをアップデートしました。来日公演を行ったステイシー・ケントが飲み、語ります。

photography = Junji Hata (cyaan)
hair & make-up = Masaki Tanimori (W)
interview & text = Tomoko Kawai
interpretation = Kazumi Someya

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 キュートなルックスとインテリジェントな世界観で、日本にも多くのファンをもつジャズシンガーのステイシー・ケント。夫でサックス奏者、作曲家、そしてステイシーのプロデューサーでもあるジム・トムリンソンと共に2019年10月に来日。ブルーノート東京で3日間の公演を行いました。

 ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロに歌詞の提供を受け、英語のみならずフランス語、ポルトガル語の歌もボーダレスに歌いこなすステイシー。 11月にアップデートしたブルーノート東京のワインリストから、ソムリエの今野明日香が2本を選び、テイスティングをしてもらいました。

「ワインは大好き。でも実は、ツアー中はあまりお酒を飲まないようにしているの。喉を大切にしているし、常に心と体の調子を整えてベストなコンディションで歌いたいと思っているから」と語るステイシー。ステージの前後にワインを嗜むのは、主に夫のジムだそう。

「ジムがワインを飲むときに"きっと君の好きな味だよ"とすすめてくるの(笑)。私はそれを、ほんの少しだけ味見。私たちは食の好みがよく似ているから、彼の選んだものは間違いないわね」

 1本目の白ワインは、カリフォルニア・サンタマリアヴァレーのシャルドネ。芯がありエレガントなテイストがステイシーに重なると今野が考え、セレクトしました。

「この白は、ライトでドライ。スムーズでフローラルだけど、決して甘くない。私は野菜でもフルーツでも、土の香りがするようなアーシーなものに惹かれるの。これは香りがとてもフレッシュでアーシー。母なる自然を身近に感じられる」

 続いて赤ワインは、イタリアを代表する高級ワイン「バローロ」をテイスティング。

「これはボディがあるけれど、重すぎない。時間と共に味が深まっていくのがよくわかるわ」。スタートから徐々に熱気を増して、終盤に最高の盛り上がりとなるライヴのように、アロマが開くバローロ。複雑な要素とやさしさが絡みあったステイシーのショウを思い浮かべて選んだと今野が語ると、ステイシーは「とても光栄です」と微笑みました。

 イタリアワインにスパイシーな料理を合わせるのがお気に入りだというステイシー。

「このバローロも、辛いものに合わせたいわ。ペッパーやスパイスにも負けない、深みがある赤ワイン。でも濃厚過ぎず、軽やかなのに深い味が感じられる。ぜひ、家でも飲みたい。コロラドの自宅は標高2000メートルの場所にあるから、酔いやすいのが難点なのだけど(笑)」

 ステイシーにとって、ワインはどんな存在?と尋ねると「一連の体験を楽しむもの」との答えが。

「ワインを味わうことは、ライヴによく似ているわ。ホールにソムリエが入ってきた瞬間から、もうワインは始まっているの。説明を聞いて、リストからその日の1本を選ぶ。コルクを開ける美しいプレゼンテーションを楽しみ、色と香りを確かめて、味わう。その一瞬一瞬が、ワインの喜び。ただ飲むのではなくて、五感を使うエクスペリエンス」

 ブルーノート東京での公演は、音、空間、料理、ワイン、サービスのすべてに美意識が貫かれ、アーティストとしても実りの多い時間だそう。

「この2本のワインを通じて、ソムリエのゲストとアーティストへの細やかな配慮が伝わってきました。ここは、素晴らしいワインと食事を楽しみながら、一緒に音楽を旅することができる場所」

 新しいワインリストが導く、未知の体験。五感を揺さぶられるひとときを、ぜひお過ごしください。


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伊達鶏とハマグリの30種の薬膳スープ
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ボトル ¥12,000(税抜)
イタリアワインの王とも称される、バローロ。コルクを抜いた直後から、華やかな香りが広がる。やわらかな渋みとふくよかな果実の旨みが調和。
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仔羊のロースト ローズマリーの香り
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ステイシー・ケント
1965年、ニュージャージー州生まれ。ロンドンを拠点に活動を続け、 2009年にはフランス芸術文化勲章を受章。スタンダード・ソングを可憐に歌うチャーミングな歌手として日本でも高い人気を誇る。

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